「ヤクルト1000」シリーズの販売数量が伸びる

ヤクルト本社は14日、2025年3月期の連結純利益が前期比9%増の555億円になる見通しだと発表した。4年連続の最高益になる。メキシコやブラジルで乳酸菌飲料「ヤクルト」などの販売が伸びる。為替の円安も利益を押し上げる。年間配当は1株64円とする。23年10月に実施した株式分割を考慮すると実質8.5円の増配となる。

売上高は6%増の5335億円、営業利益は8%増の685億円の見通し。メキシコやブラジルなどでの販売本数の増加に加え、円安が営業利益ベースで26億円の増益要因になる。景気減速を受け不振が続いていた中国事業は下期にかけての販売回復を織り込んだ。海外事業全体の営業利益は16%増を計画する。

国内の飲料・食品の営業利益は6%増の527億円を見込む。積極的な販促活動で高単価の乳酸菌飲料「ヤクルト1000」シリーズの販売本数が増える。1日あたり360万本(前期比13%増)の販売を目指す。富士小山ヤクルト工場(静岡県小山町)の稼働により、同シリーズの生産能力を1日あたり425万本まで高めたという。

同日発表した24年3月期の連結決算は売上高が前の期比4%増の5030億円、純利益が1%増の510億円だった。国内は高付加価値商品が伸びたものの、中国の販売本数減や原材料価格の高騰が響き営業減益だった。投資有価証券の売却益などで純利益は増益を確保した。

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