熊谷組は株主提案に対し「中長期的な企業価値の向上の観点から適切でない」と主張する

熊谷組は14日、アクティビスト(物言う株主)で香港の投資ファンドのオアシス・マネジメントの株主提案に反対すると発表した。オアシスは2024年3月期の年間配当について、熊谷組が提示する1株130円より30円高い160円とすることを求める方針だ。熊谷組は「中長期的な企業価値の向上の観点から適切でない」としている。

オアシスは24年3月14日時点で熊谷組の株式を10.21%保有している。6月27日に開く熊谷組の株主総会に向けて議案を書面で提出し、増配を求めた。

熊谷組は14日に公表した26年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画で、配当性向を従来の「30%めど」から「40%めど」に高めた。前中計の安定配当の方針に従って配当額を130円で維持した場合でも24年3月期の配当性向は約68%となり、同社は「利益水準に対して高い」と主張する。

熊谷組が14日に発表した25年3月期の連結経常利益は154億円と前期比18%増を見込む。新型コロナウイルス禍や資材価格高騰の影響を受け、23年3月期以降はそれ以前の200億円台を下回る水準が続く。「本格的な利益回復の途上にある」(同社)として、オアシスの提案に反対している。

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