京阪神ビルディングの若林社長㊧は「アクティビストの方が言っていることをすべて否定しているわけではない」と話した(14日、大阪市)

京阪神ビルディングは14日、アクティビスト(物言う株主)として知られるストラテジックキャピタル(東京・渋谷)の株主提案に反対する意向を表明した。株主提案では不動産の含み益を加味した修正PBR(株価純資産倍率)を1倍以上に引き上げる計画案の策定などを求める方針だ。京阪神ビルは「既にPBR1倍以上を意識した計画を策定している」と反論した。

ストラテジックキャピタルが2月に提出した大量保有によると、同社は京阪神ビル株を5%取得した。6月21日に開く京阪神ビルの株主総会では2件の議題について株主提案する予定だ。修正PBR1倍以上を目指すことに加えて、修正PBRが1倍以上を超えた場合に取締役に株式報酬を与える制度の導入を求める。京阪神ビル側には4月15日に書面で提案した。

不動産の含み益を加味しないPBRは14日の終値ベースで1.05倍だが、修正PBRは0.6倍程度だという。14日に大阪市内で開いた決算説明会で京阪神ビルの若林常夫社長は「東証(東京証券取引所)から要請されているのは(不動産の含み益を加味しない)PBR1倍以上だ。これを目指しつつ、さらに株価を上げていくことが長期の目標だ」と反論した。

ストラテジックキャピタルは2020〜21年に、京阪神ビルディングへの敵対的TOB(株式公開買い付け)を試みたが、応募株数が買い付け予定数の下限を下回ったため不成立となっていた。

京阪神ビルの若林社長は「株主に対して利益を最大化するのは重要な使命だ。一方で株主だけではなく、従業員や協力事業者などのステークホルダーの協力があって初めて利益を上げて株主に還元できる体制ができる」と指摘した。

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