パラマウント買収交渉報道について十時社長がコメントした

ソニーグループの十時裕樹社長は14日、米メディア大手のパラマウント・グローバルの買収交渉報道について「特定の交渉についてはコメントを控える」としたうえで、「適正な価値(価格)と投資リターンがあるのを前提に検討するのが自然だ」と語った。2024年3月期の連結決算と中期経営計画についての記者会見で語った。主な一問一答は以下の通り。

――パラマウント買収について手を挙げているのか。中計での相乗効果は。

「多くの情報が錯綜(さくそう)している印象のため現時点での当社の戦略を説明する。ゲーム、音楽、映画では知的財産(IP)を軸にシナジーを生み出すのがソニーのユニークな強みであり、成長戦略の中核だ。映画子会社のソニーピクチャーズが『ハブ』として重要な位置にいる」

「優良な機会があれば、適正な価値と投資リターンがあるのを前提に、検討するのは自然だ。ただ直近3年の戦略投資は自社株取得を除くと1兆3000億円。その4分の3がエンタメ事業で、音楽が大きい。次いでゲームと映画が同等程度でIP獲得が最も大きい。次の3年もこの基本方針は継続し、自己株式取得を含めて1兆8000億円を計画する」

――海外M&A(合併・買収)の検討を遅らせるなど、円安進行の影響はあるか。

「為替はコントロールできず、適応していくことに尽きるが、大きな変動は好ましくない。海外でのM&Aは投資リターンも外貨となるため、やりにくいという考え方はない」

――スマートフォン市場が縮小する中で画像センサーが好調な理由は。

「23年度のスマホ市場は全体として強くなかった。24年度は緩やかに回復するとみている。センサーが好調なのは、スマホの台数ではなくメインカメラの大型化の恩恵が大きい。超広角や望遠カメラも大判化することでセンサーの需要が大きくなる」

――中国市場でのシェア拡大は続いているか。

「中国の特定の顧客はライセンスがないと画像センサーを販売できない。今の技術で自由に勝負できる市場ではなく、競合の分析が難しい。自由に勝負できる市場でシェアを拡大したい」

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