ワコール

ワコールホールディングス(HD)は15日、2025年3月期の連結最終損益(国際会計基準)が32億円の黒字(前期は86億円の赤字)になる見通しだと発表した。最終黒字は3期ぶり。前期に計上した米国事業の減損損失がなくなるほか、東京都内のビルを売却するなどして黒字を確保する。年間配当は前期から横ばいの100円を計画する。

売上高にあたる売上収益は前期比2%減の1830億円、営業損益は20億円の黒字(前期は95億円の赤字)になる見通し。女性下着の商品数を絞り込み、赤字店舗の撤退を進める。都内に保有する土地建物を東洋不動産(東京・港)に売却して10億円の固定資産売却益を計上するほか、マネキン製造子会社、七彩(京都市)の大半の株式を7月をめどにセンコーグループホールディングスに売却する。

矢島昌明社長は15日に京都市内で開いた記者会見で「取り組んでいる構造改革で収益構造をどう変えていくか。企画の仕方などすべての総合力が試される」と話した。

24年3月期決算を説明するワコールHDの矢島社長(15日)

同日発表した24年3月期の連結決算は売上収益が前の期比1%減の1872億円、最終損益が86億円の赤字(前の期は16億円の赤字)だった。米国の一部事業の撤退で78億円の減損損失が発生し、国内での早期退職募集などで60億円の構造改革費用を計上したことも響いた。過去最大の最終赤字となったが、人件費や広告宣伝費を抑え、従来予想に比べて赤字幅を21億円圧縮した。

関西セクショントップページはこちら

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。