エーザイはレカネマブが貢献し、25年3月期に最終増益を保つ見通しだ

エーザイは15日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比1%増の430億円になる見通しだと発表した。アルツハイマー病治療薬「レカネマブ(製品名レケンビ)」が収益に貢献するほか、主力の抗がん剤「レンビマ」の販売が底堅く推移する。抗がん剤の権利譲渡などに伴う一時金収入が減るものの増益を保つ。

売上高に当たる売上収益は2%増の7540億円を見込む。レカネマブは前期比13倍にあたる565億円の売り上げを見込む。米国や日本でアルツハイマー病の診断や治療体制の整備が進むほか、中国で7月に発売を予定し、販売を伸ばす。

レカネマブは米国では435億円、日本では100億円を売り上げると見込む。処方の拡大に伴って販売体制も強化し、販売費・一般管理費は前期比2%増の3825億円を予想する。

レンビマは薬価改定や中国における後発薬の影響を受けるが、欧米の販売は好調で、0.4%減の2965億円を想定する。不眠症治療剤「デエビゴ」は主に国内の販売が伸び、24%増の520億円を見込む。

15日発表した24年3月期の連結決算は、売上収益が前の期比0.4%減の7417億円、純利益が23%減の424億円だった。

同日、300億円を上限とする自社株買いを発表した。発行済み株式(自社株を除く)の2.3%にあたる。取得は16日から24年11月15日まで。内藤晴夫最高経営責任者(CEO)は「収益の拡大期に入る。自己資本マネジメントを検討し、株主還元策をもう一段階レベルアップさせる方法として実施した」と話した。

アルツハイマー病部門を統括するグローバルADオフィサーを務める内藤景介常務執行役(35)を代表執行役専務に昇格させる人事を決めたとも発表した。就任は6月14日を予定する。

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