13日、米ペンシルベニア州での選挙集会で演説するトランプ前大統領(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】トランプ前米大統領は13日、鉄鋼大手USスチールの12日の臨時株主総会で日本製鉄による買収提案が承認されたことを受け、買収を阻止しなかったとしてバイデン政権の対応を批判した。USスチール本社がある東部ペンシルベニア州で演説し「日本よ。おめでとう」と皮肉った。  同州は11月の大統領選の勝敗を左右する激戦州の一つ。共和党のトランプ氏は買収に反対する労働組合に寄り添う姿勢を示し、民主党のバイデン大統領の支持基盤である労組票を切り崩す狙いとみられる。  トランプ氏は「USスチールはバイデン政権下で日本に売られる」と強調した。「私なら取引を成立させない」と述べ、自身が大統領であれば買収を阻止できたとの見方を示した。  バイデン氏は10日、岸田文雄首相との共同記者会見で、労働者保護を理由に買収に反対する考えを示した3月の声明を前提に「労働者との約束を守る」と語った。  岸田氏は買収に関して「両国にとって良い話し合いになることを期待している」と米側に理解を求めていた。


鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。