イスラエル軍は16日にかけてもガザ地区で軍事作戦を続けています。

中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、北部のジャバリアで住宅が砲撃され、妊婦を含む4人が亡くなったと伝え、ガザ地区の保健当局は、犠牲者は3万5272人に上ったとしています。

一方、イスラエル軍は同じジャバリアでイスラエル兵5人が味方の戦車の砲撃によって死亡したと発表し、戦闘の激しさをうかがわせています。

こうした中、16日、南部ラファの部隊を視察したガラント国防相は、現地での作戦について「激しさを増すことになる」などと述べ、追加の部隊を派遣しハマスを疲弊させる方針を明らかにしました。

ただラファには多くの住民が身を寄せているうえ、イスラエル軍の攻撃開始後、エジプトとの間の検問所が閉鎖され、支援物資が搬入できない状況が続いています。

各国も対応を急いでいて、アメリカ中央軍は16日、ガザ地区の海岸に浮き桟橋を設置したと発表しました。

またイギリス政府は、テント設営用のキットなど100トン近い物資が地中海のキプロスを出航し、設置された浮き桟橋に向かっていると発表しました。

支援物資の搬入は数日以内に始まる見通しだということですが、激しい戦闘が続く中、人道状況の改善につながるかは不透明です。

ガザ地区の13歳の少年 食料を求め 恐怖感じながら歩く

ガザ地区で人道状況が悪化する中、ユニセフ=国連児童基金は空から投下される食料などの支援物資を求めて恐怖を感じながら歩く13歳の少年、イスマイルさんの声をSNSに投稿し、一刻も早い停戦の実現を訴えました。

ユニセフのSNSに16日投稿された1分15秒の動画は、ガザ地区北部で撮影されたものだとしていて、イスマイルさんが建物がめちゃめちゃに壊れ、がれきが広がる中を歩く様子が紹介されています。

イスマイルさんは、早起きして空から物資が投下される場所に向かうものの、「爆撃されるのではないかと恐怖を感じながら歩いている」とか、「壊れた建物が倒壊するのではないかと心配になる」などと話しています。

それでも「家族のために缶詰を持ち帰らなければと言い聞かせている」と厳しい状況を話しています。

ただ、13歳のイスマイルさんにとっては、体格の差もあって、こうした物資を手に入れることは容易ではないとしています。

そして、「洋服やおもちゃを投下してほしい。戦争が終わったら、学校に戻りたい」とも話しています。

ガザ地区各地でイスラエル軍が激しい攻撃を続ける中、ユニセフは人々に支援物資を届ける活動が困難に直面しているとしていて、「子どもたちは誰もこうした経験をすべきではない。子どもたちは今すぐの停戦を求めている」として、一刻も早い状況の改善を求めています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。