米国防総省のラトナー国防次官補(インド太平洋安全保障担当)は16日、中国軍の国際軍事合作弁公室の李斌少将とテレビ電話で協議した。米国防総省の発表によると、米側は意図せぬ衝突につながるリスクを軽減するために、米中の国防当局間で意思疎通を続ける重要性を強調した。
今月31日からシンガポールで開かれるアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)には、オースティン米国防長官と中国の董軍国防相がそれぞれ参加する見通しで、直接会談に向けて調整が行われた可能性もある。
米中の国防当局間の協議は、2022年のペロシ米下院議長(当時)の台湾訪問に中国が反発して一時、滞ったが、昨年11月にバイデン米大統領と中国の習近平(シーチンピン)国家主席が会談し、国防当局間の対話の再開に合意した。オースティン氏と董氏は4月に初の電話協議を行っている。米国防総省報道官は取材に、「今後も様々なレベルで中国側と積極的な対話を続けていく」とコメントした。
この日の協議では、米中間の懸案が議題となった。ラトナー氏は、中国がウクライナに侵攻するロシアの防衛産業を支援していることに「深刻な懸念」を表明。南シナ海で中国がフィリピン船舶に対して「危険な行為」を行っている問題についても懸念を示したという。(ワシントン=清宮涼)
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