韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は2022年の発足から3年目に入りました。政権を支える保守系の与党は4月の総選挙で大敗し、革新系の野党が国会で過半数議席を握る状況が続きます。野党勢力の台頭は、経済政策の停滞や外交路線の変更をもたらすのでしょうか。韓国政治の今をリポートしました。

(1)「政治をする大統領になる」


与党が大敗した韓国総選挙から20日目の4月29日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表を執務室に迎え入れました。尹氏が0.73ポイントの僅差で制した2年前の大統領選以来、初めてのことでした。続きを読む

(2)「報復政治」が生む正義と悪


総選挙では全投票者の4分の1にあたる687万人が比例代表で曺国(チョ・グク)元法相が結成した「祖国革新党」に票を投じました。尹大統領と深い因縁のある曺氏は検事出身の尹大統領を「検察独裁」と非難します。続きを読む

(3)「政争で国が壊れる」


ソウル近郊の京畿道龍仁(ヨンイン)市には世界最先端の半導体工場が集積する「半導体メガクラスター」をつくる計画があります。尹政権は産業振興の目玉と位置づけますが、電気や用水インフラなどは未整備です。与党大敗を受けて、サムスン電子の関係者からは不安の声が漏れ始めました。続きを読む

(4)圧力に屈しない勇気


総選挙で対日政策は大きな争点になりませんでしたが、野党は尹大統領の対日姿勢を非難し続けています。日本の総務省が通信アプリの情報漏洩を受けてLINEヤフーに資本関係見直しの検討を求めた件は、久々に韓国の対日世論を刺激しました。続きを読む

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