【NQNニューヨーク=矢内純一】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前週末比44ドル00セント安の3万9959ドル59セントで推移している。前週末に初めて終値で4万ドル台を付けた。主力株の一部に持ち高調整や利益確定の売りが出ている。半面、ハイテク株を中心に底堅さがあり、売り一巡後はダウ平均が上昇に転じる場面がある。
5月に発表になった経済指標がインフレ減速を示す内容が相次ぎ、米連邦準備理事会(FRB)が年後半には利下げをするとの見方が広がっている。ダウ平均は5月に入り、前週末までに2180ドルあまり上昇した。相場の過熱感への警戒もあり、売りが出ている。
バーFRB副議長は20日の講演で、1〜3月の物価指標が市場の予想より上振れし、金融緩和に必要な確信を与えなかったと指摘。「制限的な政策が効果を発揮し続けるにはもう少し時間がかかりそうだ」との考えを示した。利下げに慎重との受け止めは株式相場の重荷となっている。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアが高い。22日の2024年2〜4月期決算発表を前に複数のアナリストが目標株価を引き上げ、好感した買いが入っている。アナリストが投資判断を引き上げたマイクロン・テクノロジーも買われており、ハイテク関連株の上昇が投資家心理を支えている。
ダウ平均の構成銘柄では、ホーム・デポとシスコシステムズ、ジョンソン・エンド・ジョンソンが下落している。一方、マイクロソフトとアムジェンが上昇している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発して始まった。15日に付けた最高値(1万6742)を上回っている。
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