ルワンダ・キガリで行われた追悼式典(7日)=ロイター

【キガリ=共同】ルワンダで1994年に約80万人が犠牲になった大虐殺の発生から7日で30年となり、首都キガリで遺族らが参列して追悼式典が開かれた。カガメ大統領は「私たちの心は今も悲しみにあふれている」と語り「虐殺につながる分断と過激主義はどこでも起こり得る」と警鐘を鳴らした。

政府によると、5千人以上が会場を訪れ、生存者の代表が凄惨な殺りくを振り返ると、参列者がむせび泣く声が響き渡った。

参列した公務員シャンス・ツバネさん(41)はおじやおばを失った。数え切れないほどの遺体の血で川が赤く染まった惨状が脳裏から離れない。「今でもトラウマだ」とうつむいた。同世代の子どもが多数亡くなり「ショックだった。二度と同じようなことが起きてほしくない」と訴えた。

多数派フツ人のハビャリマナ大統領を乗せた航空機がキガリで撃墜されたのを機に虐殺が始まった。権力を巡る争いなどが背景にあり、フツ人主体の政府軍や民兵が約100日間で少数派ツチ人と穏健派フツ人をなたやこん棒で殺害した。

米国を含む国際社会の介入が大幅に遅れ、無関心さが非難された。当時の米大統領クリントン氏や欧州連合(EU)のミシェル大統領も式典に出席する中、カガメ氏は「国際社会はかつてわれわれを見捨てた」と苦言を呈した。

イベントでキャンドルナイトを行う参加者(7日、ルワンダ)=ロイター

カガメ氏率いるツチ人主体のルワンダ愛国戦線(RPF)が政府軍を破り虐殺は終わった。実権を握ったカガメ氏は民族和解や経済成長を推し進めた一方、野党を弾圧し強権体質が批判されている。

  • 【関連記事】米大統領「恐怖と苦痛忘れない」 ルワンダ大虐殺30年で
ニュースレター登録

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。