マリーナベイ・サンズの拡張後の完成予想図。ホテル・タワー(左)やアリーナを新設する(同社提供)

【シンガポール=谷繭子】シンガポールのカジノを含む統合型リゾート施設(IR)、マリーナベイ・サンズは5日、拡張工事を2025年7月に着工し、29年7月の完成を目指すと発表した。高層ホテル棟やコンサート会場などを新設する。新型コロナウイルス禍で遅れていた拡大計画がようやく動き出す。

新設するのは4棟目となるホテル・タワーと1万5千人収容のアリーナ、国際展示場など。既存のホテルの隣に建設する。既存設備と同様、米サフディ・アーキテクツが設計した。

親会社である米ラスベガス・サンズのパトリック・デュモン社長兼最高執行責任者は、「娯楽、ビジネスの両面で、シンガポールの観光業の魅力を高める開発となる」と述べた。

19年にマリーナベイ・サンズは政府観光局と拡張計画で合意し、25年完成を目指すとしていたが、コロナ禍で着工を数回にわたり延期した。

投資額についてラスベガス・サンズは1月、「インフレなどのため、見積もっていた33億ドル(約5000億円)を上回る」と発表していた。ホテルの規模を当初の計画の1000室から578室に縮小したとの地元の報道についてはコメントしていない。

10年開業のマリーナベイ・サンズは、3棟をまたぐ屋上庭園で知られる同国の主要観光地だ。拡張工事とは別に、既存のホテル棟では17億5千万ドルの改装工事が進んでいる。

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