アイルランド、スペイン、ノルウェーの3か国の首相は22日、パレスチナを国家として承認すると相次いで表明しました。
パレスチナ暫定自治政府によりますと、140か国以上がパレスチナを国家として承認していますが、EU=ヨーロッパ連合の加盟国は少ないということで、パレスチナ暫定自治政府やガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスは歓迎しています。
一方、イスラエル側は強く反発していてネタニヤフ首相は22日、ビデオ声明で3か国の対応を非難しました。
さらに極右政党の党首でもあるベングビール国家治安相はエルサレムの旧市街にあるイスラム教の聖地「ハラム・アッシャリフ」を訪問し、「パレスチナを承認した国は、人殺しに賞を与えるようなものだ」と述べ、容認しないと強調しました。
「ハラム・アッシャリフ」は過去の取り決めでイスラム教徒にだけ礼拝が認められるなどの厳格なルールがあり、過去にはイスラエルの政治家が訪問したことでパレスチナ側による大規模な抗議活動につながったこともあります。
ハマスは、国家治安相の訪問を非難する声明を出していて、今後、イスラエルとパレスチナの間で緊張が一段と高まることも懸念されています。
アメリカ “一方的な承認ではなく両国の直接交渉で”
これを受けてアメリカのサリバン大統領補佐官は22日の記者会見で、それぞれの国の判断だとしたうえで、「バイデン大統領はこれまで『2国家解決』を支持してきた。そしてこれは一方的な承認ではなく、当事者どうしの直接交渉によってもたらされるべきだと強く主張してきた」と述べ、パレスチナ国家の実現には、イスラエルとパレスチナによる協議が欠かせないと強調しました。
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