ニューカレドニアの警察署を訪れたフランスのマクロン大統領(23日)=ロイター

【シドニー=共同】フランスのマクロン大統領は23日、暴動による混乱が続く南太平洋の特別自治体ニューカレドニアを訪問した。フランスからの分離独立派を含む政治勢力や地元当局者と会談し、治安回復の必要性を直接訴えた。パリ五輪の開催が迫る中、独立問題に国際社会の焦点が当たらないよう事態を沈静化させる狙いがある。

日本外務省によると、短期渡航の邦人38人が22日にオーストラリアへ退避。国外に出た人は計42人となった。23日時点で短期渡航者約20人を含む邦人計約230人がニューカレドニアにとどまっている。

政庁所在地ヌメアで行った会談の冒頭で、マクロン氏は、一部地域で続く道路封鎖の解除を関係者に強く要求し、治安部隊をさらに増強すると表明。「政治や制度、計画について率直で開かれた話し合いをしたい。建設的な融和策を見つけなければならない」と述べた。

フランス国民議会(下院)は、ニューカレドニアにおける地方選挙の有権者資格を、10年以上居住している住民に広げる憲法改正案を審議。独立派は「先住民カナクの票が薄まる」として撤回を求めている。

暴動は13日に始まり、憲兵2人を含む計6人が死亡、280人以上が逮捕された。車両や建物が放火され、商店で略奪が起きた。主要道路がバリケードで一時ふさがれ、経済活動がまひした。

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