シンガポール航空の旅客機が21日午後、乱気流に見舞われ、タイの首都バンコクの空港に緊急着陸した事故で、搭乗者20人以上が脊椎(せきつい)や脳などを損傷して集中治療を受け、6人が重体であることが明らかになった。米CNNなどが報じた。この事故では英国籍の男性(73)が死亡したことが確認されており、死因は心臓発作とみられている。

 CNNによると、22人が脊椎や脊髄(せきずい)、6人が頭蓋骨(ずがいこつ)と脳、13人が骨や筋肉などを損傷しているという。英BBCによると、けが人の中には、脳振盪(のうしんとう)を起こした2歳児も含まれているという。

 CNNは、搭乗者の目撃情報として、事故当時、機内では朝食をとっている乗客が多く、座席から投げ出されたり、頭上の荷物棚に頭をぶつけたりする人がいたと報じた。

 シンガポール航空がSNSに投稿した声明によると、旅客機はロンドン発シンガポール行きのSQ321便で、機体はボーイング777―300ER。飛行中に乱気流に巻き込まれ、21日午後3時45分(日本時間同5時45分)に緊急着陸した。航空機には乗客211人と乗員18人が搭乗していた。日本人の乗客は含まれていないという。

 航空機の飛行状況を提供する民間のウェブサイト「フライトレーダー24」によると、SQ321便は高度約1万1千メートル付近を安定飛行していたが、午後2時19分ごろから約90秒間に、高度を約145メートル上下させていた。(岩田恵実、伊藤弘毅)

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