旧ソ連構成国で、欧州連合(EU)の加盟候補国ジョージアの議会は28日、外国から20%以上の資金援助を受ける団体に登録を義務づける法律を可決した。5月半ばの可決後に大統領が拒否権を発動したが、与党が覆した。欧米は法案が「表現の自由」を制限するなどと批判しており、EU加盟交渉が停滞する可能性もある。

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 可決されたのは「外国への影響」法。AFP通信によると、多くの野党議員が採決をボイコットする中、与党「ジョージアの夢」などが賛成多数で再可決した。

 与党は「外国の影響を排除し、ジョージアの主権を守る」と主張しているが、10月の総選挙に向けて、政権に批判的な団体の活動を制限することが狙いだとの見方もある。

 もともと「外国の代理人」法案と呼ばれ、類似の法律があるロシアでは人権団体などへの弾圧に利用されてきた。親欧米派の市民は「ロシア法」と呼び、NGOなどに「外国のスパイ」のレッテルを貼って活動を制限するのが狙いだと批判。1カ月以上、反対デモを続けており、この日も数千人が集まって「ロシア法はいらない」などと声を上げた。

 ジョージアは昨年12月にEU加盟候補国となった。ただ、法案をめぐっては米国がビザの発給制限を検討すると発表するなど、欧米の批判が強まっていた。EUの大統領にあたるミシェル首脳会議常任議長は可決を受け、X(旧ツイッター)で「EUへの道を遠ざける」と表明した一方、「ジョージアの人々は明らかにEUでの未来を選んだ。彼らの希望を全力で支援する」と述べた。

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