米国防総省 “悪天候で浮き桟橋一部破損 物資搬入中断”

アメリカ国防総省は28日、ガザ地区に海上から人道支援物資を搬入するためアメリカ軍が設置した浮き桟橋の一部が悪天候の影響で破損し、物資の搬入を中断したと明らかにしました。

国防総省のシン副報道官は記者会見で、破損した桟橋はガザ地区の海岸からいったん撤去して修理を行うと説明し「修理には少なくとも1週間以上かかるだろう」と述べました。

シン副報道官によりますと5月17日に浮き桟橋からの支援物資の搬入を始めてからこれまでに1000トン以上の物資がガザ地区に届けられたということですが、搬入の中断で人道状況の改善がさらに遅れることも懸念されます。

イスラエル軍 ガザ地区南部ラファを空爆 21人死亡 64人けが

ガザ地区の地元当局によりますと、28日、イスラエル軍が南部ラファで、多くの住民が避難する場所を空爆し、21人が死亡、64人がけがをしたと発表しました。

これに対してイスラエル軍は声明で「空爆は、人道エリアには行っていない」としています。

さらにロイター通信などは現地の目撃者の話として、イスラエル軍の戦車が28日、ラファの中心部に到達したと伝えています。

一方、イスラエル軍のラファへの空爆によって26日に45人が死亡したとされることをめぐりイスラエル軍のハガリ報道官は28日、攻撃で使用した弾薬のみでは多数の死傷者が出ることはありえないとしたうえで、攻撃目標に隣接するハマス側の武器庫に引火して被害が拡大した可能性も含めて調査しているとしています。

ラファでの軍事作戦をめぐっては、5月24日にICJ=国際司法裁判所がイスラエルに対して、攻撃を直ちに停止するよう暫定的な措置を命じていましたが、イスラエル軍は、空爆に加えてラファ中心部に戦車を到達させたとみられるなど攻撃を繰り返していて、国際社会の非難をよそに軍事作戦を続ける姿勢を鮮明にしています。

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