中国全人代の閉幕式に出席するため、人民大会堂に向かう人民解放軍の代表ら=3月、北京(共同)
中国人民解放軍で2016年以降、軍人による殺人や強盗を含む凶悪犯罪や不祥事が相次いで起きていたことが8日、分かった。武器を部外者に売却した事案もあった。規律の乱れを受けて作成された軍の内部教材で判明した。習近平指導部は軍の汚職摘発を続けているが、腐敗体質の根深さが浮き彫りになった。 中国軍を巡っては、核ミサイル部隊を管轄するロケット軍の装備品調達に関わる大規模汚職が取り沙汰され、李尚福前国防相=昨年10月解任=らの関与も指摘されている。規律の緩みや軍人の質の低下が「強軍目標」の足かせとなっている可能性がある。 内部教材は中央軍事委員会で綱紀粛正を担う「政法委員会」が作成した。武器や飲酒、性欲、金銭、インターネットなどが絡む16年以降の摘発事例をまとめ、思想教育を徹底する必要性を訴えた。 教材によると、16~20年に起きた武器や弾薬が絡む犯罪のうち、備品管理のずさんさに起因するものが58・6%に上った。18年にはある部隊員が訓練用の砲弾を北京首都空港に無断で持ち込み、誤爆する事件が発生した。
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