中国籍の男が台湾北部・淡水河の河口まで乗ってきた小型船(台湾海巡署提供・共同)

 【台北共同】中国籍の男が操縦する小型船が9日、台湾北部、新北市の淡水河の河口に沖合から進入する事件が起きた。台湾海巡署(海上保安庁に相当)を管轄する海洋委員会の管碧玲主任委員は11日、男は過去に中国海軍で艇長を務めていた疑いがあり、国家安全当局が調査すると明らかにした。  淡水河の河口は事実上の首都、台北市防衛の要所。男は台湾への亡命が目的だと説明しているが、武力攻撃に至らない「グレーゾーン作戦」で台湾側の防衛能力を試す狙いがあったのではないかとの見方も出ている。  海巡署や台湾メディアによると、男は60歳前後。海巡署は9日午前、河口沖約6カイリ(約11キロ)の海上を航行する小型船をレーダーで捕捉。その後船は河口に入り約3・4キロ航行し、別の船と接触、海巡署員が現場で男を逮捕した。  男は調べに対し、中国で反政府の言論を発表したことを通報され、迫害を恐れたため福建省寧徳の漁港から台湾に来たと話している。  管氏によると、過去1年余りで中国人が小型船などで違法に上陸を試みる事案が18件発生。


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