【ワシントン=赤木俊介】米労働省が13日発表した5月の米卸売物価指数(PPI)は前月比(季節調整済み)0.2%低下した。ダウ・ジョーンズ集計の市場予測(0.1%上昇)を下回った。インフレ率の伸びが緩やかに鈍化する傾向を示すかたちとなった。
品目別でみると、5月は製品の価格が0.8%下がった。ガソリン価格が7.1%低下し、全体を押し下げた。軽油、鶏卵、電力などの価格も下がった。一方で、たばこや藁などの価格は上がった。
サービスの価格は横ばいだった。燃料・潤滑剤の小売手数料が12.2%上昇し、食品・酒類の小売手数料も上がった。半面、旅客航空サービス、機械・乗用車卸売サービス、資産運用サービスなどの価格は下がった。
前年同月比(季節調整前)では2.2%上昇した。伸び幅は上方修正された前月の改定値から縮小した。変動の激しいエネルギー・食品・物流を除いた価格指数は前年同月比3.2%上昇した。
米調査会社パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミスト、イアン・シェファードソン氏は「ディスインフレの方向へと転換したという根拠は増えており、5月のPPIもその1つだ」と指摘する。「消費者による支出増加が引き続き鈍化すると仮定した場合、この先は長期的な(手数料の)低下がみられるだろう」と分析した。
卸売物価指数は生産者や小売業者、物流業者などの企業間で取引されるサービスの価格変動を映す。最終的には消費者向けの物価にも影響する。労働省が12日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前月比で横ばい、前年同月比では3.3%上昇した。
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