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    「平和サミット」共同声明採択も一部の国支持せず

  • ロシア「和平について話し合おうとしない」ウクライナ側を批判

【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6月16日の動き)

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「平和サミット」共同声明採択も一部の国支持せず

ウクライナが提唱する和平案についておよそ100の国の首脳などがスイスに集まって話し合う「平和サミット」は16日、「原発の安全確保」や「食料安全保障」など、3つの項目で具体的な措置をとるなどとした共同声明を採択して閉幕しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、「このサミットでわかったことは、国際的な支持は弱まるどころか強まっているということだ」と述べ、成果を強調しました。

また、特別グループを設置し、行動計画も作成するなどして和平案の実現に向けた議論を進め2回目のサミット開催を目指す考えを示しました。

一方、サミットを主催したスイスのアムヘルト大統領は、会議の意義を強調しつつ「いつ、どのようにしてロシアを和平プロセスに参加させるかという重要な課題が残った。永続的な解決には、双方の当事者が関与する必要がある」と述べました。

サミットでは、ロシアとの関係も重視するグローバル・サウスと呼ばれる新興国などから、ロシアの参加が必要だという声が相次いだ中で、現地で取材に応じた秋葉国家安全保障局長によりますと、サウジアラビアやインドなどおよそ10か国が共同声明を支持しなかったということです。

今回のサミットを通して、ロシアや、ロシアと関係を深める中国が参加しない形で和平の道筋を描く難しさも浮き彫りになりました。

秋葉国家安全保障局長「平和の実現に向けた重要な一歩」

スイスで開かれた「平和サミット」に出席した秋葉国家安全保障局長が16日現地でNHKなどの取材に応じ、今回の会議について「ウクライナにおける公正かつ永続的な平和の実現に向けた重要な一歩となった」と述べ、意義を強調しました。

一方で、ロシアとの関係も重視する一部の国が、共同声明を支持しなかったことについて「賛成しなかったということをもって、われわれの間で大きな対立があるということではない。平和を希求するという意味では一致している」と指摘しました。

そして「わが国は、各国と丁寧に接触して議論し、ウクライナに平和がもたらされるよう努力したい」と述べ、日本政府としてウクライナの和平に向けて引き続き、外交努力を続ける考えを強調しました。

ウクライナ大統領府長官「日本に感謝の意を表したい」

ウクライナのイエルマク大統領府長官は16日スイスで開かれた「平和サミット」の会場で、NHKなど日本メディアの取材に応じ、「ウクライナを支援してくれる日本に感謝の意を表したい」と述べました。

また「今回のサミットの成果である共同声明を多くの国が支持してくれたことは成功だった」と述べ、成果を強調しました。

ロシア「和平について話し合おうとしない」ウクライナ側を批判

ロシアは会議には招待されず、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、国営テレビに対し「彼らは和平について話し合おうとしない。それが問題だ」と述べ、ウクライナ側を改めて批判しました。

また、ロシアのプーチン大統領は14日、「平和サミット」に先立ち、ロシアが一方的に併合したウクライナの4つの州からウクライナ軍が撤退すれば、和平交渉を始めるなどと主張していました。

ペスコフ報道官はプーチン大統領の提案について「ゼレンスキー大統領のような政治家がこうした構想を無視しようとも、ウクライナにはもっと冷静に考えられる人もでてくるだろう」と述べ、検討すべきだと主張しました。

プーチン政権は、ウクライナ側が主導する「平和サミット」に合わせて、和平交渉に応じるとした主張を示し、各国への揺さぶりを続けています。

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