イスラエルのガラント国防相(2023年12月)=ロイター

【エルサレム=共同】イスラエルのガラント国防相は16日、軍とイスラム組織ハマスが戦闘を続けるパレスチナ自治区ガザ南部を訪問した。ガザ最南部ラファで15日にハマスの攻撃により兵士8人が死亡したことに関し「代償は大きいが、敵を圧倒するための決意と忍耐を巡る戦いだ」と述べ、戦闘の継続を誓った。中東の衛星テレビ、アルジャズィーラが報じた。

イスラエルメディアによると、同国政府高官は16日、バイデン米大統領が公表した停戦案についてハマスの回答は否定的だと非難した。ハマスは案の修正を求めている。国際社会は早期の停戦合意を要求しており、イスラエル側には交渉が難航する責任をハマスに転嫁する狙いがありそうだ。

停戦案はイスラエルが受け入れたとされるが、極右勢力が拒否し、閣内で対立。ネタニヤフ首相は明言を避けており、イスラエル側の複雑な立場も交渉が難航する要因になっている。

停戦案では、第1段階とする6週間の停戦でハマスが人質の一部を解放する。第2段階で「恒久的な敵対行為の停止」を実現し、軍がガザを撤収する。

軍は16日もガザ各地を攻撃した。アルジャズィーラによると、中部ブレイジ難民キャンプにある住宅への空爆で子ども5人を含む9人が死亡した。ガザ保健当局によると、昨年10月の戦闘開始後のガザ側死者は3万7337人。

イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとの交戦も激化。ハガリ軍報道官は16日の記者会見で「ヒズボラがイスラエルに対する攻撃を激化させている」と批判した。レバノンとの国境沿いが安全になるまで、市民を保護するために必要な措置を講じるとも強調した。軍は16日もレバノン南部にある複数のヒズボラ拠点を攻撃した。

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