核兵器保有9カ国による原子力潜水艦㊨など核兵器関連支出が増えている=ロイター

【ビュルゲンシュトック=共同】国際非政府組織(NGO)、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は17日、核兵器保有9カ国による2023年の核兵器関連支出が前年比13.4%増の914億ドル(約14兆3800億円)に上ったとの推計を発表した。増加幅も拡大。全ての国に対し、核兵器を全面的に違法化した核兵器禁止条約に参加するよう訴えた。

最大の支出国は米国で、全体の過半を占める515億ドル。弾道ミサイルを搭載する原子力潜水艦の入れ替えなどを含む核兵器関連の最新鋭化を進めており、前年比17.8%増と9カ国の中で最も高い伸び率を示した。中国が119億ドルで続き、ロシアが83億ドル、英国が81億ドル、フランスが61億ドルと、国連安全保障理事会の常任理事国5カ国が上位を占めた。

インドが27億ドル。イスラエルは11億ドルで、パレスチナ自治区ガザでの軍事作戦により軍事費は急増したが、核兵器関連はあまり影響を受けていないと分析した。パキスタンが10億ドルで、北朝鮮は公開情報が極めて少ないとしながらも8億5600万ドルと見積もった。

ICANはまた、米ハネウェル・インターナショナルや米ノースロップ・グラマンなど20社が23年に、核兵器の開発・管理で少なくとも310億ドルの収益を得たと指摘。同年の新規契約は79億ドル以上あったとみている。

これらの企業は米仏両政府に対するロビー活動に計1億1800万ドルを費やした。英政府高官と40回以上会談した企業もあり、政府やシンクタンク、金融機関に影響力を行使していると強調した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。