【NQNニューヨーク=戸部実華】17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落して始まり、午前9時35分現在は前週末比67ドル75セント安の3万8521ドル41セントで推移している。米国の利下げ開始の時期を巡る不透明感が相場の重荷となっている。もっとも、人工知能(AI)関連の業績期待は根強く、関連する銘柄には買いが入ってダウ平均を下支えしている。
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は16日の米CBSテレビで年内の利下げが12月に1回となる予想は「妥当だ」との考えを示した。「何らかの決定を下す前に、時間をかけてインフレや経済、労働市場のデータを見極めていくことができる非常に良好な状況にある」との見方を示した。米連邦準備理事会(FRB)が利下げを急がないとの見方は投資家心理の重荷となっている。
米債券市場で長期金利は4.2%台後半と前週末終値(4.22%)を上回って推移している。金利の上昇は株式の相対的な割高感につながる。6月のニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス6.0と、前月(マイナス15.6)から改善。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(マイナス10.5)も上回った。18日には5月の米小売売上高が発表される予定で、消費動向を見極めたい雰囲気もある。
もっとも、ダウ平均の下値は堅い。前週に新たな生成AI関連の戦略を発表したアップルが買われている。ダウ平均の構成銘柄以外では、エヌビディアや他の半導体関連銘柄の一角も買いが優勢となり、相場を支えている。
ダウ平均の構成銘柄では、シスコシステムズやアマゾン・ドット・コム、セールスフォースは売りが優勢となっている。ベライゾン・コミュニケーションズやユナイテッドヘルス・グループなどディフェンシブ株も安い。一方、ウォルト・ディズニーは買いが先行した。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で始まった。
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