日米金利差の拡大で円安基調が強まっている

【ニューヨーク=斉藤雄太】20日のニューヨーク外国為替市場で対ドルの円相場が下落し、一時1ドル=158円95銭とおよそ2カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。インフレ抑制に時間を要するという米連邦準備理事会(FRB)高官の発言などをきっかけに米金利が上昇し、日米金利差の拡大が円売り・ドル買いを誘った。

20日の東京市場の終値は158円20銭台後半で、ニューヨーク市場で70銭ほど円安が進んだ。同日、金融引き締めに積極的なタカ派のミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が「インフレ率を(政策目標の)2%に戻すまで1〜2年かかる可能性がある」と発言した。FRBが高い政策金利を長く保つとの思惑から、このところ低下基調だった米金利の上昇を招いた。

日銀が6月13〜14日に開いた金融政策決定会合で国債買い入れの減額開始を見送ったことも円売りを後押ししている。市場は6月会合での減額開始を見込んでいたが、日銀は次回の7月会合で減額計画を決める方針を示した。引き締めに慎重なハト派的な姿勢と受け止められ、日米金利差に着目した円売りが優勢となっている。

円相場は4月29日に付けた1ドル=160円台の安値から日本政府・日銀による複数回の円買い介入後に一時151円台まで押し戻された。足元では再び円安が進み、市場で再度の介入への警戒感も高まりつつある。

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