非武装地帯(DMZ)での作業に投入された北朝鮮の兵士(韓国軍提供・共同)
【ソウル共同】北朝鮮が春以降、韓国との非武装地帯(DMZ)にある南北軍事境界線付近で、対戦車防壁の造築や地雷埋設とみられる作業を活発化させている。金正恩朝鮮労働党総書記が韓国を平和統一の相手ではなく「敵国」と再定義したのを踏まえ、境界線を「国境」と位置付けて対決姿勢を際立たせる狙いが指摘される。北朝鮮兵士らが境界線の南側に足を踏み入れる侵犯も相次ぎ、緊張が高まっている。 韓国軍関係者によると、北朝鮮は4月ごろから境界線に近い数カ所に多数の兵力を投入。高さ4~5メートル、最長で数百メートルに及ぶ対戦車防壁とみられる構造物が4カ所で確認された。地雷埋設も進めているとみられ、梅雨入り前に作業を急いでいるとの見方もある。 金氏は1月、憲法改正で韓国を「第1の敵国」と明記すべきだとした上で「わが国家の南側の国境線が明確に引かれた」と強調した。韓国軍関係者は、北朝鮮が境界線を「『国境線』にする可能性も排除できない」と指摘。韓国メディアは、かつて東西ドイツを分けた「ベルリンの壁」に例えて報じている。
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