【NQNニューヨーク=稲場三奈】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落し、前日比299ドル05セント(0.75%)安の3万9112ドル16セントで終えた。前日におよそ1カ月ぶりの高値を付けた後で、主力株の一部に持ち高調整の売りが出た。同日発表の米景気指標が経済の減速感を示したことも、重荷となった。下げ幅は400ドルを超える場面があった。
6月の米消費者信頼感指数は100.4と前月(101.3)から低下した。市場では、「消費者の購買意欲と購買力への懸念がある」(インディペンデント・アドバイザー・アライアンスのクリス・ザッカレリ氏)との受け止めがあった。同日発表の6月のリッチモンド連銀製造業景況指数はマイナス10と前月の0から悪化し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(マイナス0.5)を下回った。
米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事は25日の講演で、「政策金利の引き下げが適切だという段階にはない」との見方を示した。クック理事は同日の講演で、「利下げ時期については今後の経済指標がどんな見通しやリスクを示すかによる」と語った。FRBが利下げを急がない姿勢を示し続けており、市場参加者の警戒につながった。
個別では、ウォルマートが2.1%安で終えた。経営陣が2024年5〜7月期の見通しに慎重な見方を示し、売り材料となった。ホーム・デポやナイキなど消費関連株の一角に売りが膨らんだ。
ボーイングも下落した。航空機大手の欧州エアバスが24年12月期通期の業績予想を下方修正した。欧州市場では株価が大幅安となり、ボーイングの売りに波及した。
一方、セールスフォースやマイクロソフトといったハイテク株が買われた。「前日の相場と正反対の動きで、売りが一巡したハイテク株に買いが集中した」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。アナリストが投資判断を「買い」で銘柄調査を開始したウォルト・ディズニーも高かった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発した。前日比220.837ポイント(1.26%)高の1万7717.654で終えた。前日までの3営業日で13%近く下げていたエヌビディアには買いが集まり、6.7%高で終えた。このところ下げが目立っていた他の人工知能(AI)関連銘柄やハイテク株の一部にも買いが波及した。テスラやアルファベットも上昇した。
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