路上にあふれる汚水=6月23日、パレスチナ自治区ガザ中部ザワイダ(清田明宏氏提供、共同)

 【エルサレム共同】イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザ。中部ザワイダを拠点に視察する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の清田明宏保健局長が1日までに、共同通信の電話取材に応じた。「道路に汚水やごみがあふれ、支援物資の略奪が横行している」と強調、「ガザの社会秩序が崩壊の危機にある」と訴えた。  昨年10月の戦闘開始後、清田氏がガザを視察するのは3~4月に続き2回目。  前回視察後の5月からイスラエル軍は最南部ラファで地上作戦を展開している。多数の市民がラファから中部デールバラハなどに退避した。清田氏は「空き地がテントで埋まり、人の密集度が高まった」と指摘した。  現地ではイスラエルの搬入制限による燃料不足、電力不足が社会インフラを破壊している。清田氏は「下水施設が機能せず、汚水が路上にあふれ、悪臭が鼻を突く」と述べた。「収集車の稼働も減っており、ごみが路上に放置されている。衛生環境は極めて劣悪だ」と語り、感染症まん延に懸念を示した。


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