ブラックロックはプレキン買収を通じてリスク分析事業の強化を狙う=ロイター

【ニューヨーク=竹内弘文】世界最大の資産運用会社、米ブラックロックは30日、英調査会社のプレキンを25億5000万ポンド(約5200億円)で買収すると発表した。

プレキンはプライベートエクイティ(PE=未公開株)など、プライベート市場のデータベースで知られる。プライベート投資の成長を取り込み、リスク分析事業の成長を加速させる。

プレキンは世界で20万人以上の利用者に向けて約19万のファンド情報などを提供している。運用会社や年金、銀行など幅広い利用者層を抱える。2024年の売上高は約2億4000万ドル(約380億円)に及ぶ見込みだ。ブラックロックは買収対価を現金で支払う。

ブラックロックは資産運用業務とは別に、リスク分析ツールの「アラジン」を機関投資家に提供している。プレキンのデータベースや調査を統合することで、プライベート市場におけるリスク管理機能の精度を高める。

ブラックロック自身もプライベート投資を拡大している。

プライベートクレジット(企業向け融資)では23年に欧州の運用大手の買収を発表し、インフラ投資でも24年1月に米グローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ(GIP)の買収を発表した。

金融情報サービス事業を巡るM&A(合併・買収)は続いている。米S&Pグローバルが20年に英IHSマークイット買収を発表したほか、英ロンドン証券取引所グループ(LSEG)も21年に金融情報会社リフィニティブの買収を完了した。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道によると、プレキンの買収にはブラックロックのほかS&Pグローバルと米ブルームバーグが名乗りを上げていたという。

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