ロシアのプーチン大統領は3日、上海協力機構首脳会議に出席するため、カザフスタンに到着した=ロイター

中国とロシアが主導する地域協力組織「上海協力機構(SCO)」の首脳会議が3日、カザフスタンの首都アスタナで開幕する。ベラルーシが正式加盟する見通しで加盟国は10カ国に拡大する。

ロシアのウクライナ侵略が長期化している。ロシアのプーチン大統領は外交を活発化し、欧米諸国への対抗軸づくりを急いでいる。

SCO首脳会議は3、4日の2日間にわたって開く。ロシアメディアによると4日には共同宣言を採択する予定で、安全保障など多岐にわたる内容となる見通し。

プーチン氏は米国がけん引する世界秩序に反発して「多極的な世界秩序」の構築を訴えている。ロシアや中国の意向を反映し、SCOを通じて加盟国の安全保障などの協力拡大につなげる意向とみられる。

今回の首脳会議ではベラルーシを10カ国目の加盟国として承認する見通しだ。首脳会議にはSCO加盟に関心を示しているトルコのエルドアン大統領らが出席する。プーチン氏は3日に中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席のほか、エルドアン氏らと相次ぎ会談する予定だ。

SCOは2001年、ソ連崩壊後の国境地域の安定と信頼醸成、加盟国間の協力促進を目的に設立した。中ロのほか、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタンの中央アジア4カ国とインド、パキスタンに加えて、イランが23年に正式加盟するなど参加国は徐々に拡大しつつある。

中央アジア諸国では、ウクライナへの侵略を続けるロシアと距離を置き、欧米諸国と資源分野などで経済連携を深める動きが出ている。

プーチン氏は、旧ソ連構成国との協力関係を改めて強める狙いがあるとみられる。同氏は大統領として通算5期目に入った後の5月、ウズベキスタンを訪問しミルジヨエフ大統領と会談した。SCO首脳会議ではカザフスタンのトカエフ大統領とも会う。

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