2009年に中国の新疆ウイグル自治区で起きた大規模な暴動から、7月5日で15年。
FNNは、中国化が急激に進む街の今を取材しました。

中国北西部に位置し、少数民族が暮らす新疆ウイグル自治区。
中でもカシュガル市は、人口の90%がイスラム教徒であるウイグル族です。

しかし、以前は「モスク」だった場所は、現在は建物はそのままで、中はカフェに変わってしまっていました。かつて点在していたイスラム教徒の礼拝施設「モスク」の閉鎖や改造が、相次いでいるのです。

中国政府は、「モスクが過激派の拠点になっている可能性がある」として、イスラム教徒の宗教色を薄め、街の中国化を加速させています。

当局が認めていない宗教活動を見つけたら通報するよう促すなど、統制の強化も進んでいます。

また、イスラム教徒の食事に欠かせない牛や羊が取引される市場では、刃物が厳重に取り扱われていました。羊をさばいているおのの柄の部分には、鎖がつながっており、丸太に固定されていました。中には、QRコードが刻印された刃物もありました。

これらは、過去に暴動が相次いだことを受け、当局が進めた対策で、刃物が誰のものかを管理しているといいます。QRコードによる管理は、ウイグル族の住宅でも行われており、ペンキで塗られ、剥がれないようになっています。

街では、警察官が至るところで目を光らせ、防犯カメラも多数確認できました。

取材班も監視の目の対象で、同一人物とみられる追跡者が連日、服装を変え、取材班の動きをマークしていました。

2009年に起きたウルムチ暴動以降、テロ活動の一掃を図り、経済発展に力を入れた結果、「住民の収入は倍増し、安全と安定がもたらされた」と強調する中国政府。しかし、その統制は強化されたままです。

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