【エルサレム=共同】イスラエル軍は8日、パレスチナ自治区ガザ北部の住民に退避要求を出し、再び攻撃を激化させた。イスラム組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏は声明で、ガザの停戦交渉が「無に帰す恐れがある」と警告した。
ハマスは停戦案で譲歩の意向を示したとされ、交渉本格化の機運が高まっていたが、停滞が続く恐れがある。米国など仲介国は停戦合意へ外交努力を続けた。
イスラエル軍は8日、ガザ北部ガザ市の国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)施設を攻撃した。「ハマスの拠点があるとの情報を得た」と主張した。軍は北部から南部へ地上侵攻を進めたが、戦闘員が活動しているとして撤収した地域を再び攻撃している。
ハニヤ氏は声明で、イスラエル軍のガザ攻撃を仲介国に緊急連絡したと指摘した。「交渉が決裂すれば、イスラエルのネタニヤフ首相と軍に全責任がある」と強調した。
ハマスは、イスラエルに対する「恒久停戦」要求を一時取り下げることに応じ、段階的に協議する構えを示していた。これに対してネタニヤフ氏は7日、「いかなる合意においても、イスラエルは目標達成まで戦闘再開できる」とけん制した。
ロイター通信によると、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官とマクガーク中東調整官は8日、仲介国エジプトのカイロで、イスラエルやエジプトの高官らと会談した。カービー米大統領補佐官は記者団に「われわれはとても努力しているが、双方には依然隔たりがある」と語った。
イスラエル軍は9日もガザ市で攻撃を続けた。パレスチナ通信によると、軍による中部ヌセイラトへの砲撃では7人が死亡した。ガザ保健当局は、戦闘開始後のガザ側死者が3万8243人になったと発表した。
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