首都キーウ郊外で9日行われた式典には、ウクライナのクリメンコ内相や松田邦紀駐ウクライナ大使などが出席しました。
クリメンコ内相は8日に、ロシア軍による激しい攻撃でキーウなどで大きな被害が出たことに触れ、出席者が、犠牲となった人たちに黙とうをささげました。
また松田大使は「地雷のない安全な土地は、自宅を追われた人々が戻るためにも、強じんな社会と経済を再構築するためにも必要な前提条件だ」と述べ、地雷除去を支援する意義を強調しました。
今回引き渡されたのは、山梨県のメーカーが建設用重機の製造技術をいかして製作したものなどあわせて4台の地雷除去機です。
日本はこれまでJICA=国際協力機構を通じて、ウクライナ側に地雷の探知機などを供与してきましたが地雷除去機の引き渡しは今回が初めてです。
ウクライナでは、ロシアによる軍事侵攻が続く中、広い範囲に埋められた地雷による被害が市民にも相次いでいて非常事態庁によりますと、先月下旬までに地雷などの爆発物により死亡した人は298人に上るということです。
日本は、引き続きウクライナに対して地雷除去機の供与を行うなど、地雷の除去をめぐる支援を進める方針です。
軍事侵攻後 ウクライナの広範囲に地雷 被害相次ぐ
ウクライナの非常事態庁によりますと、先月下旬までに地雷などの爆発物により死亡した人は298人、けがをした人は676人にのぼるとしています。
今月7日も東部のハルキウ州で、走行中の乗用車が対戦車地雷を踏んで大破し、乗っていた子ども2人を含む6人全員が死亡しました。
無差別な被害を与える対人地雷は、国際条約で使用や製造が禁止されていて、ウクライナを含む160以上の国と地域は加盟しているものの、ロシアは加盟していません。
ウクライナの国土に残された地雷は、ウクライナ軍がロシアから支配地域を奪還したあとも、退避していた市民の帰還や農業の再開の障害となっています。
こうした中、ウクライナの非常事態庁などは日本や欧米各国、国際機関による資金や機材の支援を受け、およそ2000人を投入して除去を進め、ことし4月までに地雷などの爆発物78万個を処理したとしています。
ただ、ウクライナ内務省の高官は今月1日、国土の2割を上回る14万平方キロメートル以上に地雷が残っている可能性があると明らかにしました。
これは1年あまり前と比べて3万平方キロメートル少なくなっているということですが、全土を奪還した場合でも地雷除去の完了には数十年かかるとも指摘されています。
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