【ワシントン=共同】米大統領選で返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領(78)は9日、討論会で精彩を欠いた民主党のバイデン大統領(81)に対し「挽回のチャンスをあげよう。寝ぼけたバイデンよ、今週もう一度討論会をやろうじゃないか」と挑発した。南部フロリダ州の選挙集会で語った。
バイデン氏は今週、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席するため討論会が実現する可能性は低い。バイデン氏が応じないことを見越し、弱腰だと印象付ける狙いとみられる。
トランプ氏は、民主党がバイデン氏とハリス副大統領(59)のどちらを候補にするのかを巡り「分裂して混乱に陥り、完全に破綻している」と批判した。提案した討論会は「一対一で司会者を入れず制限なし」を条件とし、ゴルフでの対決も呼びかけた。これとは別に9月に次の討論会が予定されている。
上下両院の民主党議員団は9日、ワシントンでそれぞれ非公開の会合を開き大統領選の対応を協議した。会合後、下院民主党ナンバー3のアギラー議員と上院民主党トップのシューマー院内総務は記者団に、バイデン氏の選挙戦継続を支持すると表明した。
だが、下院の会合出席者からは高齢を懸念する声が上がり、撤退論も依然くすぶっている。シェリル下院議員はバイデン氏に「新たな候補を選ぶため、出馬しないと表明するよう求める」との声明を発表した。
ワシントン・ポスト紙によると、バイデン氏の選挙戦離脱を公然と主張する現職の党議員はシェリル氏で10人目。
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