【NQNニューヨーク=川上純平】10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比21ドル75セント高の3万9313ドル72セントで推移している。人工知能(AI)向けの販売拡大への期待から半導体株の一角が上昇し、米株相場を押し上げている。半面、物価指標の発表を11日に控えて様子見の投資家も多い。ダウ平均は小幅に下落する場面がある。
半導体受託生産の台湾積体電路製造(TSMC)が10日に発表した6月の売上高は、AI向け先端半導体の好調な需要を背景に前年同月比32.9%増と大幅に伸びた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、TSMCの主要顧客であるエヌビディアが上昇して始まった。同業のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などにも買いが先行した。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は9日の米上院銀行委員会での議会証言で労働市場の軟化に言及し、金融緩和に転じる時期を探る局面にあることを示唆した。FRBが9月に利下げし、景気を支えるとの期待も主力株への買いを誘っている。
もっとも、ダウ平均の上値は重い。パウエル議長は10日に米下院金融サービス委員会で議会証言に臨む。11日には6月の米消費者物価指数(CPI)の発表がある。FRBの利下げ時期を見極める上で注目度が高く、積極的な売買は手控えられている。
ダウ平均の構成銘柄ではハネウェル・インターナショナルやアップル、ダウが上昇している。半面、ビザやセールスフォース、キャタピラーは下げている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は7日続伸して始まった。
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