中国海軍創設70周年の国際観艦式に参加するため、山東省青島に到着した海上自衛隊の護衛艦「すずつき」=2019年4月(共同)

 【北京共同】海上自衛隊の護衛艦「すずつき」が中国の領海で異例の一時航行をした今月4日、日中双方が防衛当局幹部間のホットライン(専用回線)を利用していなかったことが11日分かった。東京と北京の通常の外交・防衛ルートで連絡を取り合った。外交筋が明らかにした。意思疎通の在り方に課題を残した形だ。  沖縄県・尖閣諸島では中国海警局船による日本領海への侵入が常態化。鹿児島県・屋久島付近でも中国海軍艦が侵入を繰り返してきた。偶発的衝突を防ぐためにも、防衛当局間の対話や交流の推進が求められそうだ。  護衛艦「すずつき」は4日に中国浙江省沖の中国領海を航行。中国政府は同日、ホットラインは使わず外交ルートで日本側に深刻な懸念を伝達した。日本政府も同日、経緯を調査すると外交・防衛ルートで伝え、火消しを図った。  当日は外交ルートが機能したが、関係者の間では、ホットライン活用を検討する余地もあったとの見方が出ている。  ホットラインは2007年に日中首脳が設置に向け合意。防衛省は昨年5月、運用開始を発表した。


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