トーマス・クルックス容疑者が暮らしていたとされる住宅(16日、米ペンシルベニア州)=ロイター

【ニューヨーク=共同】トランプ前米大統領の暗殺未遂事件で、米メディアは17日、警備当局が銃撃発生の20分から1時間ほど前にトーマス・クルックス容疑者(20)を不審人物として認識していたと伝えた。写真を撮影して関係者で共有するなど警戒していたが、その後見失ったという。

銃撃は13日、東部ペンシルベニア州バトラーでの選挙集会で発生。容疑者は事件前、大きな荷物を背負って会場を歩き回り、手にした距離計測器をのぞき込むなど不審な様子で、当局が目を配っていた。その後、姿が見えなくなったという。

押収した携帯電話の解析で、トランプ氏やバイデン大統領、英王室メンバーらの画像を検索していたことも判明した。

連邦捜査局(FBI)と大統領警護隊(シークレットサービス)は17日、非公開で上下両院議員に事件について説明した。共和党のジョンソン下院議長は銃撃を防げなかったとしてシークレットサービスのトップ、チートル氏の辞任を求めた。

クルックス容疑者は120〜150メートル離れた建物の屋根から半自動小銃を撃ち、トランプ氏は右耳を負傷した。集会参加者の1人が死亡し、2人が重傷を負った。容疑者はその場で射殺された。

この建物について、地元警察はシークレットサービスに対し事前に「人員不足で警備できない」と伝えていたという。

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