共和党が党大会でトランプ前大統領の「強さ」と党の結束を演出する一方、民主党のバイデン大統領(81)は新型コロナウイルスに感染。健康状態や高齢不安に拍車がかかり、撤退圧力が再燃している。  ホワイトハウスは17日、バイデン氏が検査で陽性になったと発表。症状は軽く、大統領としての職務は継続するが、予定していた集会への参加を見送った。

◆民主党支持層65%、無党派層77%が出馬辞退に賛同

 米メディアによると、下院で強い影響力を持つカリフォルニア州選出のシフ議員が、新たに撤退を求めた。民主党上院トップのシューマー院内総務やペロシ元下院議長もこれまでに、水面下でバイデン氏に懸念を伝えたとされる。

バイデン大統領=2020年2月

 AP通信などが11~15日に実施した世論調査では民主党支持層の65%、無党派層の77%がバイデン氏の出馬辞退に賛同。有権者の不安が払拭できていない状況も明らかになった。  一方、民主党全国委員会は17日、撤退圧力に配慮し、当初今月21日に予定していたバイデン氏を正式指名するオンライン投票を、8月前半にずらす意向を明らかにした。

◆前倒しで候補決定の方針が一転

 大統領候補は通常、党大会で正式指名されるが、オハイオ州が州法で候補決定の時期を8月7日までと定めていたことから、民主党は5月、前倒しして選ぶ方針を発表していた。  その後、同州が8月末に期限を延長する法改正をしたため、8月19日から始まる党大会での投票に支障はなくなったが、同州の議会は共和党が多数派を占めていることから、民主党幹部は「信用できない」と主張。7月中の投票は見送る一方、法改正前の期限だった8月7日までに正式指名を終えたい意向を示した。  ただ、バイデン氏の交代を求める一部議員は、早期指名は撤退論を封じる狙いだとして反発。党大会での投票を求めている。(ミルウォーキー・鈴木龍司) 

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