【NQNニューヨーク=三輪恭久】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸して始まり、午前9時35分現在は前日比74ドル52セント高の3万7849ドル90セントで推移している。このところ下げが続いていた銘柄を中心に上昇している。決算の内容が評価された銘柄にも買いが入り、ダウ平均の上げ幅は100ドルを超える場面がある。
米東部時間18日夜にイスラエルがイランを空爆したと伝わり、原油先物価格が急騰。株価指数先物が大幅に下落した。その後、イスラエルによる報復攻撃が限定的にとどまりそうだという見方が広がると、原油先物は上げ幅を縮めた。投資家の過度なリスク回避の動きはいったん落ち着き、主力株の一部に買いが入っている。
もっとも、中東情勢が一段と悪化することへの懸念は根強い。ダウ平均の構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループとトラベラーズなどディフェンシブ株の一部が上昇している。キャタピラーやホーム・デポといった下げの目立っていた銘柄には見直し買いも入っている。
アメリカン・エキスプレスは3%高。19日発表の2024年1〜3月期決算では売上高と1株利益が市場予想を上回り、好感した買いが集まっている。
米債券市場では長期金利がイスラエルによるイラン攻撃後に4.5%前後まで急低下する場面があった。米東部時間19日朝の取引では4.6%前後と、18日終値(4.63%)をやや下回る水準で推移している。米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始の時期を巡る不透明感は根強い。アマゾン・ドット・コムやアップルなどハイテク株の下げが目立つ。
プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も安い。19日朝に発表した24年1〜3月期決算では売上高が市場予想に届かなかった。洗剤や紙おむつといった主力製品の伸びが鈍く、嫌気されている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は6日続落して始まった。ネットフリックスが大幅安となっている。前日夕に発表した24年1〜3月期決算は市場予想を上回る内容だったものの、24年12月期通期の売上高見通しが慎重との受け止めから、売りが優勢となっている。エヌビディアとテスラも下落している。
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