中国の習近平(シーチンピン)国家主席と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記が2018年に会談した中国遼寧省大連の海辺の保養地で、記念として道路に設置されていた両首脳の足形がなくなった。「中朝友好の印」と受け止められてきたものだが、消された理由は明らかになっていない。
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18年5月、朝鮮労働党委員長だった金氏はトランプ米大統領(当時)との初の米朝首脳会談を控え、大連に赴いて習氏と会談した。中朝首脳が並んで海沿いの道を散策する様子は大きく報じられ、2人が歩いた場所にはのちに足形が設けられた。
記者が今月20日に現地を訪れると、足形があった場所はアスファルトで覆われていた。事情に詳しい地元の観光関係者は、「国家指導者の足形を観光の宣伝に使うのは良くない」とする当局からの指示があった、と証言した。消えた時期については「はっきりした日時は覚えていないが、昨年の秋ごろ」だと答えた。オレンジ色の路面標示も最近になって施されたという。
今年は中朝国交樹立75年にあたり、19年6月に習氏が訪朝して以来となる中朝首脳会談が年内に開かれるのかが注目されている。中朝関係の現状について様々な見方があるなか、足形が消された理由について、外交関係者らの間から「中国と北朝鮮との距離感が反映されているのではないか」といった臆測も出ている。(大連=金順姫)
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