米大統領選に向けて、議会民主党のトップ2にあたる上院のシューマー院内総務と下院のジェフリーズ院内総務が23日、そろってハリス副大統領への支持を表明した。党内は全面的にハリス氏支持でまとまり、指名獲得は確実な情勢となっている。

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 共同会見でシューマー氏は「バイデン氏の(撤退)発表以来、民主党がハリス氏の支持で急速にまとまるのを目の当たりにしてきた」と述べた。ジェフリーズ氏も「彼女の準備は万全であり、意欲的で、力強く米国を未来に導くことができる」と訴えた。

 党内では22日までに、大半の議員がハリス氏への支持を表明。各州を代表する代議員も過半数がハリス氏を支持し、今後の投票でハリス氏が党の候補者に選ばれることは確実になっていた。

 シューマー氏は、党指導部としての正式な支持表明が遅れた理由について、「トップダウンではなく、草の根で自ら指名を勝ち取りたい」との意向をハリス氏から伝えられていたためだと明かした。

 民主党の大統領候補は本来、各州での予備選を通じて民主的に選ばれる。だが、バイデン氏が予備選を制した後に撤退を決定。改めて予備選をやり直す時間はなく、党指導部は党内が自発的にハリス氏支持でまとまる状況を待って、支持を正式に打ち出すことにしていたという。

 一方、トランプ陣営からは、党内で撤退を求める声が高まり、結果的に予備選でバイデン氏に投票した党員らの権利が奪われたことは非民主的だとする批判が出ている。ただ、代議員がバイデン氏に代わってハリス氏に投票することは民主党の規則に反するものではないと報じられている。(ワシントン=高野遼)

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