【ソウル=木下大資】北朝鮮北部で先月下旬に集中豪雨による洪水が発生し、韓国政府は1日、赤十字社を通じた人道支援を提案した。ただ、北朝鮮が韓国を「敵国」と見なして対決姿勢を強めている状況で、支援を受け入れる可能性は低そうだ。

◆「死者約1000人」と韓国当局

南北の軍事境界線に位置する板門店(資料写真)

 北朝鮮メディアは7月29日、河川の氾濫により約5000人が孤立した新義州(シンウィジュ)周辺の被災地を金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が視察し、ヘリコプターによる救出作業を指導したと報道。同日緊急会議も招集したが、具体的な被害規模は公開していない。韓国メディアは、死者が約1000人に上るとの韓国当局の見方を伝えている。  韓国の大韓赤十字社は1日、「人道主義と同胞愛の見地から必要な物資を支援する用意がある」と表明し、北朝鮮側の呼応を呼びかけた。韓国統一省は衛星画像の分析などから「相当な被害規模と推定される」と説明。現在、南北の連絡手段が途絶しているため、赤十字の発表による提案の形を取ったという。  韓国が北朝鮮の洪水被害への支援を申し出たのは2012年以来。その際も北朝鮮は応じなかった。 

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