米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の米国人記者エバン・ゲルシコビッチ氏は7月に懲役16年の判決を受けた(6月、ロシア中部エカテリンブルク)=ロイター

米国とロシアは1日、仲介国のトルコで囚人ら20人以上の身柄を交換した。ロシア当局が2023年3月に拘束した米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の米国人記者エバン・ゲルシコビッチ氏らが含まれるとみられる。トルコメディアなどが伝えた。

報道によると身柄交換は首都アンカラの空港で実施された。計7カ国で収監されていた26人が釈放され「(米ロ間で)第2次世界大戦後、最大規模の囚人交換」としている。ロシアメディアは身柄交換の対象者にゲルシコビッチ氏のほか、ロシアで収監されたポール・ウィラン元米海兵隊員らが含まれると伝えた。

ロシアのペスコフ大統領報道官は1日、身柄交換についてのコメントを避けた。

ゲルシコビッチ氏は23年3月に中部スベルドロフスク州を取材で訪問した後、州都のエカテリンブルクで拘束され、スパイ罪で起訴された。検察側はゲルシコビッチ氏が米中央情報局(CIA)の指示で同州の軍需工場の機密情報を収集していたと主張した。ゲルシコビッチ氏は容疑を否認していた。

エカテリンブルクの裁判所は7月、ゲルシコビッチ氏に懲役16年の判決を言い渡した。

ロシアと米国はこれまでも拘束者の交換に応じたことがある。22年12月にはロシアが米女子プロバスケットボールのブリトニー・グライナー選手を、米国がロシアの元軍人で服役中だったビクトル・ボウト受刑者をそれぞれ釈放した。

ロシア当局は22年2月、グライナー氏が大麻オイルを所持していたとしてモスクワの空港で拘束した。ボウト氏は武器密輸などの罪で服役していた。

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