1日、退役軍人の待遇への不満を訴える垂れ幕が掲げられた北京中心部の繁華街・王府井に集まった治安当局車両=共同

【北京=共同】中国人民解放軍が創設97年を迎えた1日、北京中心部の繁華街、王府井で退役軍人の待遇への不満を訴える垂れ幕が掲げられ、警察が出動する騒ぎがあった。動画や画像がX(旧ツイッター)に投稿された。

中国では湖南省で習近平国家主席を批判する横断幕が掲げられたとする動画が投稿されたばかり。習指導部下で蓄積する不満が相次ぎ表面化した。

経済停滞を背景に中国は退役軍人の就職難が社会問題化。共産党が7月に開いた第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が採択した決定は、学生と併せて退役軍人を重点グループとして就業支援すると表明した。8月1日に待遇改善を図る条例が公布された。

1日、北京の繁華街、王府井で退役軍人の待遇への不満を訴える垂れ幕を掲げる軍服姿の人物(Xから)=共同

王府井では1日夜、軍服姿の人物がビルの屋上に座り、警察車両や救急車が急行。周辺は立ち入りが規制され、通行人らが不安そうに見守った。

投稿された画像によると軍服姿の人物は「雲南省昆明市官渡区政府が12年兵役に就いた退役軍人をつぶした」とする内容の垂れ幕を掲示した。

Xには7月30日に湖南省新化県の商業地区にある歩道橋に「ストライキと授業ボイコットで独裁、国賊の習近平を罷免する」と記した横断幕が掲げられたとする動画も投稿された。

北京では2022年の第20回党大会開幕直前に習氏を批判する横断幕が高架橋に掲げられた。

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