中国の習近平(しゅうきんぺい)国家主席と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長(当時、現党総書記)が2018年5月に中国・遼寧省大連で会談した際、記念に設けられた2人の足形がなくなった。中朝友好を象徴する存在だっただけに、消された理由を巡って外交関係者の間で臆測を呼んでいる。

◆黒いアスファルトで塗りつぶされ…「消されたのは昨年だった」

中国・大連にあった、習近平氏と金正恩氏の「友好の足形」スポットの過去と現在の比較画像

 足形があったのは大連郊外の景勝地。両首脳が歓談しながら浜辺の道路を並んで歩いたのを記念し、道路上に設置された。それが現在は黒いアスファルトで塗りつぶされ、さらに上からオレンジ色の線も引かれて全く見えなくなっている。

中国・大連で7月30日、黒いアスファルトとオレンジ色の線で覆われ、習近平氏と金正恩氏の足形が消された現場=河北彬光撮影

 付近で交通整理をする人や店の従業員が「事情はよく分からない」と口をそろえる中、現地で働く男性は取材に「消されたのは昨年だった」と証言した。夏場は海水浴客でごった返し、人や車の往来が絶えないが、今は足を止める人はおらず、かつての存在感はない。

◆何らかの意図を持って消した?

 中朝関係に詳しい関係者によると、現場の判断だけで両首脳の足形に手を付けることは考えにくく、何らかの意図を持って消した可能性があるという。今年は中朝国交樹立75周年の節目にあたるものの、最近は北朝鮮がロシアに接近する動きもあり、韓国メディアはすきま風が吹く中朝関係を象徴する出来事だとの見方を報じている。(大連で、河北彬光)

かつてあった習近平氏と金正恩氏の足形(中国の動画サイトより)



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