イランの首都テヘランで殺害されたイスラム組織ハマスの最高幹部イスマイル・ハニヤ政治局長の後任として、ハマスは6日、パレスチナ自治区ガザの最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏を組織のトップにあてると発表した。ハニヤ氏の殺害をめぐって地域の緊張が高まる中、紛争拡大を防ぎたい米政府は中東各国との外交努力を続けている。

  • ハニヤ氏殺害、イスラエルの思惑は 専門家「人質交渉さらに難しく」

 シンワル氏は昨年10月のイスラエルへの越境攻撃を計画した一人とされ、イスラエルは殺害を狙っている。ハニヤ氏はカタールを拠点とし、ガザの停戦や人質解放の交渉にあたっていたが、シンワル氏は今もガザに残っているとみられる。

 ハニヤ氏は7月31日に殺害されたが、その前日にはイスラエル軍がレバノンの首都ベイルートを空爆し、イスラム教シーア派組織ヒズボラの司令官が死亡した。ヒズボラの指導者ナスララ師は今月6日、イランとヒズボラがイスラエルに対して「報復する義務がある」と語ったと、ヒズボラが運営するテレビ局アルマナルが報じた。報復は「強力で効果的なものになる」とし、ヒズボラ単独で踏み切る場合もあれば、イランの支援を受ける武装組織のネットワーク「抵抗の枢軸」による包括的な攻撃の一部として行動する場合もあるとの見通しを示した。

 一方、バイデン米大統領は6日、エジプトのシーシ大統領、カタールのタミム首長と相次いで電話で協議した。ホワイトハウスによると、両首脳との電話協議では、パレスチナ自治区ガザでの即時停戦や人質解放の合意を含め、中東地域での緊張緩和に向けた取り組みについて話し合ったという。(カイロ=其山史晃、ワシントン=高野遼)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。