ニューヨークのウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=横内理恵】12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は高く始まった後、下落に転じている。午前9時50分現在は前週末比171ドル68セント安の3万9325ドル86セントで推移している。14日発表の7月の米消費者物価指数(CPI)などの重要指標を見極めたい市場参加者が多く、買い手控えの雰囲気が広がっている。ダウ平均の下げ幅は200ドルを超える場面がある。

今週はCPIに加え、13日に米卸売物価指数(PPI)、15日に米小売売上高などが発表される。2日の7月の米雇用統計が市場の想定より弱かったことで米景気への懸念が意識されやすい。米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースにも影響を与えるインフレ鈍化や消費の減速度合いに関心が集まる。

ダウ平均は前週初の5日までの3営業日の間に2100ドル下げた後、週末にかけてやや下げ幅を縮めていた。値動きが大きいなか、注目指標を控えて持ち高調整の売りが先行している。ダウ平均の構成銘柄ではプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やホーム・デポ、セールスフォースなどが安い。

外国為替市場で円が対ドルで1ドル=147円台後半と前週末(146円60〜70銭)に比べて円安・ドル高で推移し、「円キャリー取引」の急激な巻き戻しが一服した状態が続いている。過度のリスク回避姿勢が和らいでいることは市場心理を支えている。ダウ平均は高く始まっていた。シェブロンやユナイテッドヘルス・グループ、アップルなどが上昇している。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で始まった。テスラが安い。一方、エヌビディアには買いが先行している。

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