岸田首相に渡す著書を手にするブラジル在住の被爆者、森田隆さん=5月、ブラジル・サンパウロ(共同)

 【サンパウロ共同】ブラジルで被爆体験の証言を続け、在外被爆者援護の道を切り開いた森田隆(もりた・たかし)さんが12日、サンパウロ市の病院で老衰のため死去した。100歳だった。  1924年、広島県砂谷村(現広島市佐伯区)生まれ。21歳の時に広島の爆心地近くで、旧日本陸軍の憲兵として防空壕を造りに行く途中に被爆し、やけどを負った。  戦後、サンパウロの気候が良くて住みやすいと聞き56年にブラジルに移住。当初は差別を恐れて被爆した体験を多く語らなかった。84年に「在ブラジル原爆被爆者協会」を設立。在外被爆者への健康管理手当の支給を求める活動を率い、ブラジルの若者らにポルトガル語で被爆体験を証言する活動も長く続けた。


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