アメリカ・ニューヨークの住宅街で水たまりに放し飼いにされた「金魚」をめぐり、住民の間で賛否両論の論争が勃発しています。
この記事の画像(3枚)ニューヨーク市ブルックリンで住民たちが今月はじめ、消火栓から漏れた水でできた水たまりをみて「金魚を飼ったら楽しいかもしれない」と、50匹を放しました。ところが先週、「金魚の命が危険だ」として、一部の住民が真夜中に金魚を水たまりからすくい出しました。
放し飼い反対派の住民は「残念ながら、これは金魚には有害だ」「他の方策を提案したが、すげなく断られた」「夜中に救出作戦を実行した」などと話した。
これに男性たちは反発し、さらに金魚を追加して、掃除やエサやりをしつつ、24時間態勢で見守る事態に。男性は「近所の人たちはみんな喜んでいるよ」「水は清潔だし、快適に住んでいる」「コミュニティーに還元したい」などと話している。
この論争はSNSで広がり、支援する募金サイトが立ち上がったほか、「消火栓の金魚」をひと目見ようと、遠方からも見物人が訪れるスポットになりました。
見物人は「この話題は私のTikTokにあふれている」「こういうことって重要だと思う。人々が立ち止まって、人との会話が生まれる」「ここはニューヨークだよ、消火栓などが開いているのはいつものことだよ」などと話す一方で、慎重派の男性は「近所ぐるみという考えは好きだし、コミュニティーに自然がほしいというのもわかる。でも動物の権利もね」などと話した。
ニューヨークでは夏場に消防署に依頼すれば水遊び用に消火栓を開いてもらうことは可能ですが、地元当局は取材に対し、安全上などの理由から「当局以外に消火栓を開くのは違法だ」と強調しました。また、「事態を覚知してから何度も消火栓を閉めたものの、誰かが開き、金魚を取り除くよう求める要請も受け入れられなかった」と経緯を明かした上で「我々も金魚は大好きだが、道ばたよりも、良い住処があるはずだ」と説得する姿勢です。
「コミュニティー」なのか「動物愛護」なのか「インフラ設備の管理」なのか。
金魚を管理する男性は、気温が下がる来月半ばには、地元の子供たちに全ての金魚を無料で配ってコミュニティーとのつながりを深めたいと話していますが、小さな水たまりから始まった大きな「金魚論争」はまだ続きそうです。
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